日语学习,日语童话故事

孚咖小编 2020-05-20 17:22:40 1259


       老头和雷阵雨

むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。 

今日は土用のうしの日なので、町でうなぎを一匹買ってきました。 

ところがそのうなぎを料理しようとしたら、つるりと手がすべってうなぎが逃げ出しました。 

「ま、待ってくれえ」 

 おじいさんが追いかけると、うなぎはぐんぐん空へのぼっていきます。 

 おじいさんも負けじと、空へのぼっていきました。 

 すると雲の上の広い野原の中に、一軒の大きな家があったのです。 

 おじいさんがこわごわ家の中をのぞいてみると、奥から鬼が出てきました。 

「そこにいるのはだれじゃ! 何しに、ここへやってきた!」 

 おじいさんはうなぎを追いかけて、ここまできたことを話しました。 

「よし、わかった。ちょうどいいところへきてくれた。二、三日ここにいて、わしの仕事を手伝ってくれ」 

「でも、鬼さんの仕事の手伝いとは? 言っておくが、人を食うのは嫌だぞ」 

「あはははは。心配するな。わしは鬼ではなくて、かみなりだ。これから娘をつれて、雨をふらせに行く。毎日、夕立ちをふらさなくちゃいけないので、忙しくて困っていたんだ。さあ、さっそく出かけよう」 

 かみなりは七つのたいこをかつぐと、娘さんに火打ち石を、おじいさんには水の入ったかめをわたして雲に乗りました。 

 しばらく行くと、おじいさんの住んでいる村が見えてきました。 

「いいか、娘が火打ち石を打ち、わしがたいこを叩いたら、そのかめの水をちょっぴりまいてくれ」 

 さっそく、娘さんが火打ち石を打ちました。 

 すると稲妻が、ピカッと光りました。 

 つぎにかみなりが、たいこを叩きました。 

 するとゴロゴロゴロゴロと、ものすごい音がひびきわたりました。 

「よし、わしの番だな」 

 おじいさんは、かめの水を手ですくって、ぱっと投げました。 

 それはわずかな水でしたが、水は途中でどんどんふえて、たちまち滝のようになって下へ落ちていきます。 

「こりゃあ、おもしろい」 

 おじいさんは調子にのって、どんどん水をまきました。 

 ひょいと下を見ると、近所のおかみさんたちが大あわてで洗濯物を取り入れています。 

 道を歩いていた人も、ころぶようにして家の軒下にもぐります。 

「さて、ばあさんはどうしているかな」 

 自分の家に目をやると、なんとおばあさんが、むしろに干してある豆を運んでいるところです。 

「し、しまった。早くしないと豆がだめになってしまう」 

 おじいさんは、思わず大声でどなりました。 

「何をぐずぐずしている。ほれ、早く早く、あっ、転びおった」 

 むしろから、豆が飛び散りました。 

「落ち着いて、早くしろ!」 

 おじいさんが手をふると、かめから水がこぼれて、どっと雨が落ちていきました。 

「だめだ、だめだ。せっかくの豆が!」 

 おじいさんが大声でわめいていたら、だれかに頭をたたかれました。 

「あれ? ここはどこだ?」 

 なんと、目の前におばあさんがこわい顔で立っているのです。 

「おじいさん、何をねぼけているんです。それよりこれを見てください」 

 昼寝をしていたおじいさんが、あわてて飛び起きると、まわりはおしっこだらけです。 

「し、しまった」 

 おねしょをしてしまったおじいさんは、恥ずかしそうに頭をかきました。


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